ふたつめの朝
唇に、何か触れた。
その感触で、夢から現実へと引き戻される。
明け始めた朝の光を瞼に感じて、ゆっくりとそれを開くと、柔らかな瞳の宮川さんがあたしを覗き込んでいた。
「起きた?」
「……」
そう訊いてきた彼。
でもあたしは黙ってわざとまた瞼を閉じた。
………
ほら、ね?
また、唇に柔らかな感触。
愛しむように、そっと。
ちゃんと。
はっきりした頭でその温かさを感じたいの。
だからもう一度。
最初から起こして。ね。
END